花遊ブログでティータイム
フラワーデザイン、お料理などの創作、出会い、旅行など、写真と文で綴ります。
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花遊(はなゆう)

Author:花遊(はなゆう)
岡山市内在住。人と楽しく関わることが大好き。夢は、古民家再生の工房を作り、そこでお花やクッキングなどをして交流の場を作ること。会社員の傍ら、フラワーデザイナーの資格を持ち教えていましたがお休み中。写真好き。目下、海外旅行と写真撮影にはまっています。

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ヒロシマ、父のあの日
ブルースターの種
DSC_0580_convert_20110809071755.jpg

8月6日、午前8時15分、広島に向かって黙とうを捧げた。

この日、何軒かのお宅へ伺う所用が入っていた。
うれしく感謝することがあったかと思ったら、ショックな出来事が発生したり…
なんだか波乱に満ちた一日だった。

実家で、父に尋ねた。

「お父さんは、どこの駅で原爆に遭ったの?」

私は青く茂ったモロヘイヤを畑で摘み取りながら、
ふらっと畑に現れた父は、畑のゴミを処分している、という日常の中でのこと。

数時間前にショックな出来事に遭った私は、
以前から聞こう、聞こうとしてできなかった質問をショックついでにえいっと口にした感じだった。

父から随分前に聞いたことがあったが、曖昧な記憶しかない。
すぐ涙があふれるので、その姿を親に見せるのは照れがあり、避けていたようにも思う。

「広島駅じゃ」

その一言から、次々と父の口から「あの日」の出来事が…

岡山から両親と父の3人で、軍需景気に沸く呉市天応に移り住んでいた。
父は、当時14歳、広島市内の崇徳中学2年生。
学徒動員令で学校近くの工場に配属され、呉線で毎日通勤していた。

広島駅に先着していた父は、同級生の米田君が乗って来る列車に乗る待ち合わせをしていた。
広島駅1番ホームに着いた列車の乗降が落ち着くと
父と米田君は、1番ホームとは反対側の乗降口のステップに並んで腰かけ、
米田君が持ってきたトマトを口に運ぼうとした…

その瞬間、あのフラッシュ撮影を思わせる強烈な閃光が走った。
そして、1,2,3番ホームの長い屋根が、飴のように倒壊するのが見えた。
気がつくと、1番ホームの上に吹き飛ばされていた。

……父の話は、淡々と続いた。
66年間、ずっと心から離れない悲惨な体験。
話の後、16年前、当時の厚生省から依頼されて書いた被爆体験の記録を私に貸してくれた。
ノート3ページ分に書かれてあった。

爆心地から2キロ、広島駅で列車を降りた友人達をたくさん改札口に見送った。
父は、米田君のトマトに助けられた。
ほんの些細な行動で、運命の分かれ道となる。

「私の爆風に吹き付けられた煤塵で真黒な顔をじっと見つめながら、
 母はやさしく何度も何度も拭き取ってくれるのでした」
家族の無事を祈り、帰りを待っていた祖母の心情は測り知れない。

背中に小さいガラス片が刺さり、それを数個除去しただけで軽傷だった。
これよりすぐ、父は村の人々と手分けして漁船に乗り、行方不明被爆者救出活動を始める。
しかし、その苦しさ、悲しさはとても筆舌尽くし難いという文で締めくくられる。
淡々と書いているが、ノート3ページというのはほんの一部に過ぎないのだった。

軽傷…ように思えた父の背中は、終戦後、岡山へ戻り膿が出始める。
「寝ると膿が寝ござに張り付いて、痛くて痛くて」
背中を見られたくなく、高校生になって水泳の時間は辛かったという。

辛い体験を話したくない人もいる。

「お父さん、話してくれてありがとう」
「先日借りた聖川丸のファイルで、幸子先生が聴き書きされたように、
 私もお父さんの話を書き留めたいから、また、話を聞かせてね」

「本当は自分の書いた体験談は誰にでも見せんけど、聞きたい言うたから」
ちゃんと向かい合って聴く耳を持つと、父のように体験を話し、受け止めてもらいたい人もいるのである。

涙があふれてきた。
照れを越えて、父に気持ちが伝えられたことが、私の大きな1歩だ。

着替える為、上半身裸になった父。
なんともない普段の光景だが、背中を向けた時、
ああ、この背中が…と改めて被災した状況を思い起こした。
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